売掛債権をファクタリング業者に譲渡し、入金予定日よりも前に資金を確保する手段が「ファクタリング」です。
ビジネスで早急に資金を手に入れたい際に便利なサービスですが、さらにスピーディーな資金調達を望むなら「AIファクタリング」の活用がおすすめです。
本記事では、AIファクタリングの基本情報やメリット・デメリット、審査を通過するためのポイントなどを詳しくご紹介します。
売掛債権の早期資金化を検討中の方や、ファクタリングサービスの利用をお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
AIファクタリングとは?
ファクタリングは、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、資金調達を行う方法ですが、その審査にAI技術を活用したものを「AIファクタリング」と呼びます。
AIファクタリングでは主に2社間ファクタリングを利用し、手続きがオンラインで完結するのが特徴です。
AIによる審査プロセス
AIファクタリングでは、審査をAIが自動的に行います。
AIには審査基準となるアルゴリズムが組み込まれており、申請者が提供した情報をもとにスコアリング(評価)を実施します。
この結果により、ファクタリングの利用可否や掛け目、手数料が決定されます。
一般的なファクタリングと比較して、AIによるスコアリング審査は短時間で完了するため、迅速な資金調達を求める方に最適です。
ただし、AIの審査後には担当者による「本人確認」や「売掛債権の真偽確認」が行われるため、その分の時間が必要となることを留意しておきましょう。
オンライン完結で店舗不要
AIファクタリングは実店舗を持たず、審査申込から契約手続きまで全てオンラインで行われます。
ファクタリング業者に直接出向く必要がないため、忙しい方でも時間を有効に使えます。
また、業者側も店舗維持費や人件費などのコストを削減できるため、手数料が比較的低く設定されていることが多いです。
AIファクタリングを利用するメリット
AIファクタリングを活用することで、以下のようなメリットがあります。
即日資金調達が可能
前述のとおり、AIファクタリングは審査に時間を要しません。
最短で10分から1時間程度で審査が終了するため、審査から資金振り込みまでのスピードが速いという利点があります。
業者によっては、当日中の審査完了や資金調達が可能な場合も多く、迅速な資金繰りをサポートします。
手数料を抑えられる
先にも触れたように、AIファクタリングはコスト削減が可能なため、店舗を有するファクタリング会社よりも手数料が低い傾向にあります。
例えば、通常の2社間ファクタリングの手数料相場が8%~18%であるのに対し、AIファクタリングでは手数料が約10%前後とされています。
低コストで資金調達を行いたい場合には、最適な方法といえるでしょう。
オンラインで全ての手続きが完了
再度の説明となりますが、AIファクタリングは申込から契約締結までオンラインで完了します。
店舗への訪問が不要なので、多忙で時間が取れない方でも利用しやすいサービスです。
少額の売掛債権にも対応
ファクタリング業者ごとに買い取り可能な金額の範囲は異なりますが、AIファクタリングでは比較的少額の売掛債権にも対応している場合があります。
サービスによって異なりますが、1万円から100万円程度の売掛債権の買い取りにも対応しています。
中小企業や個人事業主も利用可能
AIファクタリングは、売上規模の小さい企業(中小・零細企業)や個人事業主、フリーランスでも利用しやすいです。
さらに、対応可能な業種も幅広く、従来のファクタリングでは審査が難しいとされる業種(YouTuberやインフルエンサーなどの新しい職種、売上が不安定と見なされやすい業種)でも利用が可能です。
AIファクタリングのデメリット
AIファクタリングは多くの利点がありますが、デメリットも存在します。
利用前に、これらの欠点にも注意を払うことが重要です。
審査が機械的で柔軟性がない
AI特有の欠点として、AIファクタリングの審査は機械的になりがちです。
事業主の人間性や経営経験、知識が豊富であっても、数字に表れない要素は審査に反映されません。
申請内容に誤りがあったり、基準にわずかでも満たない場合、審査に通過できない可能性があります。
提供業者が少ない
AIファクタリングを提供する業者が少ないという欠点もあります。
ファクタリング業者にはそれぞれ得意分野がありますが、AIファクタリングを取り扱う業者自体が少ないため、自分の条件に合うところを見つけるのが困難です。
AIファクタリングを成功させるコツ
AIファクタリングを有効に利用するためには、まず審査を通過する必要があります。
審査に合格するためのポイントとして、以下の点に注意を払いましょう。
信用度の高い売掛債権を提出する
AIファクタリングでは、売掛先の支払い実績や売掛債権の信用度が重要であることは既に述べました。
つまり、審査を通過するためには、AIが信頼できると判断する企業の売掛債権を提出することが重要です。
審査に合格しやすい売掛債権の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 複数回の取引実績があり、支払い遅延や未払いがない
- 支払期日までの期間が短く、回収の見込みが高い
- 売掛金額と取引先の企業規模が適切である
- 上場企業や大手企業、公的機関からの売掛債権である
必要書類を事前に用意する
審査に必要な書類は、事前に用意しておくことが大切です。
AIファクタリングはオンラインでの手続きとなるため、必要書類はデータ形式で準備します。
データであれば何でも良いわけではなく、業者によってはスマートフォンで撮影した画像データでOKな場合もあれば、PDF形式での提出を求めるところもあります。
ファクタリング業者ごとに対応可能なデータ形式が異なるため、アップロード方法も含めて事前に確認しておきましょう。
なお、AIファクタリングの審査に必要な書類は以下のとおりです。
- 身分証明書
- 取引を証明する書類(注文書や請求書など)
- 通帳のコピー
申し込みは早めに行う
審査の申し込みは、できるだけ早い時間帯に行うことをおすすめします。
午前中に申し込めば、その日のうちに審査完了や資金の入金が期待できます。
一方、午後や夕方に申し込むと、営業時間内に審査が完了せず、入金が翌営業日以降になる可能性があります。
迅速な資金調達を望むなら、午前中の申し込みを心がけましょう。
入力内容は正確に
AIファクタリングでは、入力ミスが審査落ちの原因となるため、注意が必要です。
担当者との直接のやり取りがないため、申請内容に誤りがあっても訂正する機会がありません。
希望する資金調達額や売掛債権の取引履歴、決算情報などが正確に入力されているか、十分に確認しましょう。
AIファクタリングがおすすめのケース
AIファクタリングは、次のような場合に特におすすめです。
迅速に資金を調達したい場合
まず、迅速に資金を調達したい場合です。
AIファクタリングはAIによる審査のため、人間が行うよりも迅速に審査が完了し、必要書類の提出もオンラインで完結するため、申込から契約・入金までがスムーズです。
なお、AIファクタリングを利用する際には、アカウント登録が必要です。
初めての手続きで時間がかかる場合もあるため、利用を検討している方は事前に登録を済ませておくと良いでしょう。
手数料をできるだけ抑えたい場合
ファクタリングを利用すると手数料が発生するため、売掛債権を全額資金化することはできません。
手数料をできるだけ低く抑えたい場合、通常のファクタリングよりも手数料が安いAIファクタリングがおすすめです。
AIファクタリングは、AIによる審査で人件費が抑えられ、店舗を持たないため維持費や管理費などのコストも削減されています。
その結果、手数料が低く設定されており、売掛債権の額面に近い金額を資金化できます。
さらに、業者への訪問にかかる交通費なども不要なため、最小限のコストで資金調達が可能です。
AIファクタリングを利用する手順
AIファクタリングを利用する手順は、以下のとおりです。
1. アカウントの作成
最初に「アカウントの作成」を行います。
この際、身分証明書が必要となるため、データ形式で準備しておきましょう。
2. 申し込み手続き
次に、申し込み手続きを行います。
作成したアカウントでログインし、専用ページから売掛債権の買取を申し込みます。
3. 必要書類のアップロード
審査に必要な書類のデータをアップロードします。
必要書類は業者によって異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。
4. 審査の開始
書類のアップロード後、AIによる審査が開始されます。
審査に要する時間は業者によって異なりますが、最短で数十分、長くても数時間で完了します。
午前中に申し込めば、当日中の入金も期待できます。
5. 契約手続きと入金
審査に通過したら、契約手続きを行います。
オンラインで完結するAIファクタリングでは、契約書の詳細な説明がない場合が多いです。
契約内容に問題がないか、細部までしっかりと確認しましょう。
契約完了後、資金が入金されるため、速やかに振込の確認を行いましょう。
まとめ
迅速な資金調達が必要な場合、ファクタリングサービスの利用がおすすめです。
特にAIファクタリングは、通常のファクタリングよりも審査から入金までの時間が短く、手数料も低いため、利用しやすいと言えます。
AIファクタリングを提供する企業はまだ少ないですが、初心者でも使いやすい業者がありますので、各サービスの内容を比較しながら、自社に合ったものを見つけてみてください。