尿pHに関する研究成果の紹介:メタボ、糖尿病、インスリン抵抗性

サイマックスのサービスで、いつも通りトイレでおしっこをするだけで尿pHをはかれる時代がやってきました。尿pHは生活習慣や病気と関係がある測定項目です。

今日は、メタボリックシンドローム(略してメタボ)、糖尿病、インスリン抵抗性と関係する研究をご紹介します。

尿pHとメタボの関係

低い尿pH(酸性尿)はメタボリックシンドロームと関係があるのことです。メタボリックシンドロームになると生活習慣病になるリスクがあがってしまいます。

Source: Hara S, Tsuji H, Ohmoto Y, Amakawa K, Hsieh SD, Arase Y, et al. High serum uric acid level and low urine pH as predictors of metabolic syndrome: a retrospective cohort study in a Japanese urban population. Metabolism. 2012;61:281–8. 7

メタボになると何がいけないの?

メタボになると生活習慣病の原因になります。生活習慣病とは、たとえば糖尿病、高血圧症、脂質異常症、狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)、脳血管障害・脳卒中、高尿酸血症(痛風の原因)などです。

糖尿病と尿pH

低い尿pH(酸性尿)の人は、糖尿病のリスクが高いとのことです。

3,119人の男性を対象として、5年間の追跡調査研究を行ったところ、尿pHが低い人は糖尿病になりやすいことがわかりました。

Low urine pH is significantly associated with abnormal glucose tolerance; therefore, measuring urine pH might prove useful for identifying patients at high risk for diabetes.

Source: Hashimoto Y, et al. Diabetes Res Clin Pract. 2017;130:9-14. Relationship between urine pH and abnormal glucose tolerance in a community-based study.

  • インスリンと尿pH

    Epidemiology studies have revealed that patients with obesity, hyperglycemia, or hypertension are associated with a decreased urine pH.

この研究では、尿pHがインスリン抵抗性と関係があることを明らかにしました。尿が酸性によっているほど、 インスリン抵抗性(HOMA-IR)が高まっているとのことです。

1084人の糖尿病ではない日本人のデータを使って研究を行ったとのことです。

インスリンとは?

インスリンとは、膵臓から出るホルモンのことで、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。インスリンが十分に働かないと、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまいます。これが糖尿病です。また、肥満や高血糖、高血圧とも関係があります。

インスリンが働かない状態を、「インスリン抵抗性」といいます。酸性尿(低い尿pH)は、このインスリン抵抗性と関連するといわれています。

最終的に心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病になってしまうのは、このインスリン抵抗性が根本的な原因であり、血圧や糖や脂質が直接の原因ではないとする考えもあるようです。

Source: Association of Low Urine pH with Insulin Resistance in Non-Diabetic Japanese Subjects. Exp Clin Endocrinol Diabetes. 2018 Feb 8. doi: 10.1055/s-0043-122943.

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最近、疲労感や眠気、頭痛など「なんだか調子悪いなあ」といったことはありませんでしたか?調子が悪いと、仕事や趣味にも悪影響が出てしまってイヤですよね。もしかすると、あなたのその症状は身体が酸性化しているからなのかもしれません。

尿pHとはどんな測定項目なの?

サイマックスのサービスでは、いつも通りトイレでおしっこをするだけで毎日の尿pHをはかることができます。尿pHは生活習慣や病気と関係がある測定項目ですが、どういったものなのかをご紹介します。

尿酸値とは~若い人にも身近な痛風。尿酸値が高まるメカニズムと痛風の予防法

会社の健康診断や血液検査において尿酸値が高く、びっくりした人も少なくないことでしょう。

(公財)日本医療機能評価機構が発表するデータでは、30歳以降の男性で基準値よりも高い人の割合は30%に達するといわれており、どんどん増えていることが分かっています。

ここでは、尿酸とはどのようなものか、どんな病気のリスクがあるのか、どのように予防すればいいのかお伝えします。

○尿酸とは~プリン体が分解され尿酸に

私たちは身体を動かしていない間にも、臓器を動かしたり、新しい細胞を作り出したりしています。この新陳代謝によって「プリン体」と呼ばれる物質が分解されて、最終的に「尿酸」となり尿や便から排出されることになります。

尿酸は老廃物ですので、体内に蓄積されないようにうまく排出されていきます。しかしうまく排出されず体内に蓄積されてしまうと、基準値よりも高くなってしまい痛風を引き起こす原因となってしまいます。

○尿酸値の基準値と病気のリスク

血液検査の結果を見てみますと、基準値は次のように記されています。

  • 男性:3.6~7.0mg/dL
  • 女性:2.7~7.0mg/dL

この数値は、血液中の数値を表したもので、一般的に男性のほうが高くなる傾向であることが知られています。基準値よりも高くなり、痛風を発症している人をみると、95%が男性であることが分かります。

基準値よりも高くなると、血液中に溶けきれない状態になってしまい、結晶となってしまいます。基準値である7.0mg/dLを超える状態が続いている場合には、「高尿酸血症」と診断されます。痛風になるリスクが高く治療が必要になることもあります。

結晶は関節などに蓄積してしまい、「痛風」と呼ばれる病気になってしまいます。足の親指の付け根などが赤く腫れあがり、激しい痛みである「痛風発作」に悩まされます。痛風になって初めて、自分自身の数値に気が付く人も少なくありません。

○高尿酸血症や痛風になりやすい人

高尿酸血症や痛風と診断されてしまう要因は、生活習慣と遺伝の2つに分けることができます。それぞれの要因についてみていきたいと思います。

・生活習慣を要因とするもの

生活習慣においては、特に食生活に影響されます。

バランスよく食べずに、肉や海産物を食べ過ぎてしまう人であれば、痛風のリスクを高めることになります。これは肉や海産物に多くの「プリン体」が含まれているためで、プリン体を食品から摂れば摂るほど、体内で作られる尿酸が増えるために数値が高くなっていくのです。

また飲酒の習慣にも影響がみられます。これはお酒に含まれているアルコールにはプリン体が含まれているためで、アルコールが体内で分解される際に尿酸が作られてしまうことによって数値が高くなります。

・遺伝的な要因によるもの

遺伝によって尿酸値が高くなることもあります。

体内で作られた尿酸は尿によって体外に排出されますが、遺伝によって排出させる能力が低い場合には体内のバランスが崩れて、高尿酸血症となってしまいます。

関節に蓄積して痛風になるリスクも高くなりますが、腎臓内に蓄積させてしまい腎機能の低下や尿路結石などの病気を引き起こすリスクも高くなります。

十分な水分補給や急激な運動を避けることが大事であると考えられています。

○尿酸値が高くならない予防法

・食べすぎない飲みすぎない

生活習慣、遺伝どちらが要因であるとしても、数値を高めないために大事なことは「食べ過ぎない」「飲みすぎない」という、食習慣をしっかりと見直すことにあります。肥満の人には数値が高くなる傾向にありますから、体重なども気にするようにしておかねばなりません。

特にプリン体を多く含んでいるといわれる食品の食べすぎには注意しなければなりません。代表的なものにはレバーや白子、干物、えび、カツオ、いわしなどがあります。

またお酒に含まれているアルコールにも要注意です。最近では「プリン体0」のお酒も販売されていますが、アルコール自体に排出を阻害してしまう作用がありますので、飲みすぎてしまうのであれば結局数値を高める原因となってしまいます。

特にビールにはプリン体が多く含まれているために注意が必要であるといわれますが、アルコールそのものを摂りすぎないようにすることが大事です。

・激しい運動ではなく軽い運動を継続して

数値を高めないためには、肥満に注意しなければなりません。そのために運動習慣はとても大事になってきます。しかし運動のやり方を間違えてしまうと、かえって数値を高くしてしまう要因となってしまいます。

無酸素運動と呼ばれる激しい筋トレなどを行う場合であれば、体内でプリン体が活発に作られてしまいます。特に日常的に運動習慣のない人が、いきなり急激な運動を始めてしまうことで、痛風を悪化させてしまうことがあります。

運動習慣は肥満防止のためにとても大事ですが、ウォーキングなど軽い運動を継続して行うことが効果的です。有酸素運動と呼ばれるもので、継続して取り組むことで少しずつ改善させることができます。

○まとめ

特に中高年の男性では、尿酸値の高い人が増える傾向にあります。また、20代や30代で痛風を発症する人も少なくありません。健康的な生活を行うことがとても大事になってきます。

特に食生活を見直すことが大事で、食べすぎや飲みすぎに心当たりがある人であれば、見直すことが大事です。

また日常的に軽めの運動を取り入れるようにして、肥満防止に努めるようにしましょう。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版 | 公益財団法人 日本医療機能評価機構

https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0052/G0000210/0010